脳の機能とドラムのテクニック

ツインペダル

当HPの運営を始めた頃から2年たった今でも

未だによく来る質問があるんですが、

それはどんなものかというと、

「ツーバス連打の時の感覚って貧乏ゆすりをしているような感覚ですか?」

という質問です。

 

その質問の回答としては、

「違います。1打1打しっかり打っている感覚があります。」

というごくごく普通な形になります。

 

上記のような質問は既に何度も回答しているんですが、

まあ一応・・・

質問してくれている方の気持ちもわからないでもないです。

 

なぜかというと、僕自身もそう思っていた時期があったんですよね(苦笑)

 

その時の僕の愚かな練習方法としては、

無意識にピクピクと動かす事で連打を打つ練習を

延々と繰り返していました。

まあ言わずもがな、結果は出ませんでしたが・・・。

 

そういう間違った感覚の習得を目指して練習してしまうと、

いつかは軌道修正をしなければ延々と結果が出ず、大変な事になります。

 

これには深い理由がありまして、

その理由は、

「意識は自分にとって必要な情報しか拾ってくれないから」です。

 

どういうことかというと、先ほどの例で言えば

「ツーバス連打は貧乏ゆすりのような感覚で打っている」

と思い込んでいる状態ですから、

貧乏ゆすりをマスターするための情報しか意識は拾ってくれません。

 

しかし、ツーバスを習得するためには

貧乏ゆすりをマスターする以外にも処理すべき情報が沢山あります。

 

例えば、音量や音符の精度が適切かどうか、

身体動かし方やバランスなどが崩れていないかどうか、

その他もろもろ・・・

 

これらの様々な情報を処理して

正しく身体を動かしていく必要があります。

 

なので、おそらく貧乏ゆすりのような

無意識に任せた方法での習得は

十中八九失敗するでしょう。

 

したがって、ツーバス連打をマスターするには

ゆっくりなテンポから始めて1打1打の感覚を大事にし、

出来るだけ身体の感覚や音符の精度を意識に上げて

正しい感覚で処理できるように意識した方が良いです。

 

あと、ここまで丁寧に書く必要もないかと思いますが、

一応「ゆっくりなテンポから始める理由」を書いておくと、

身体のバランスやスティックの動き

ペダルの動きを凄く敏感に感じる事が出来るからです。

 

テクニック的に余裕ができる分、

ハイテンポの時よりも多くの情報が意識に上がってきますよね。

 

本当はハイテンポの時でもそういった情報が入ってきているんですが、

余裕が無いのでカットされてしまうんです。

 

ここがとても重要な部分で、

 

実は意識に上がる情報というのは、

自分の中に入ってくる情報の

だいたい100万分の1ほどしかありません。

 

ちなみに意識に上らなかった情報は、

だいたい無意識が勝手に処理してくれています。

 

なので、ただドラムを叩いているだけでも

実は多くの情報が入ってきていて、

 

例えばお尻とイスの体重のかかり具合とか

視覚に鼻の頭が映っている事とか

体温を調整するために汗を分泌していたりとか

頭をバランスよく支えるために首の筋肉を調整していたりとか・・・

 

書き出せばキリがありません。

 

しかし、それらの情報は意識的に処理をする事に意味がないと認識されているので、

無意識が勝手に処理をするという流れになっています。

 

でも、お尻とイスの圧力のかかり具合というのは、

身体のバランスを保つためのひとつの重要な情報になったりします。

 

例えば、身体のバランスが悪い人は

ドラムを叩いた後に

片方のお尻だけがヒリヒリしたりします。

(昔の僕もそうでした。苦笑)

 

僕はその情報を得て身体のバランスの悪さを認識し、

左右のお尻にかかる体重の負担を均等にしたら

バランスも良くなりましたし、

ツーバス含め演奏全体の安定感も増しました。

 

といっても、身体のバランスを直すのは、

別にお尻からの情報じゃなくても良いです。

 

腰の力みを意識するのでも良いし、

左右のフォームを整えることでもかまいません。

僕はただお尻だったというわけで・・・(笑)

 

貧乏ゆすりをする練習をしていた時は

お尻の感覚なんか全く意識に上がってなかったのに、

その情報を必要だと認識した時に

意識に上がるようになり、

そして、それが結果的に上達に繋がりました。

 

これらの事から学べる教訓は、

ドラムの練習をする時に

「正しい感覚はどれか?」を考える事は凄く重要だという事です。

 

現状がどんなに下手くそであっても、

必要な情報は必ず入ってきています。

 

しかし、事前にそれを必要と思っているかどうかで

得られるものは全く変わってきますし、

その後の練習の成果も大きく変わってきます。

 

という事は、厳しい事をいうと、

「貧乏ゆすり」のような感覚を前提としている時点で

ほぼ負けは確定しているんです。

 

 

では、こういった問題に対処するにはどうしたら良いか?

 

ひとつだけコツをお教えしますと、

「アンチテクニックの立場を一時的に取る。」

という事です。

 

どういう事かというと、

既存のテクニックに対してアンチ(否定)の立場を取ります。

簡単に言うと

「ダブルストロークはクソ」

「ダウンアップ奏法はクソ」

「モーラー奏法はクソ」

「スイベルテクニックはクソ」

全てのテクニックはクソだという風にラディカルな立場を取ってみます。

無理やりですが(笑)

 

それらの感覚を捨ててしまったら

1からスティックの感覚やペダルの感覚を組み上げるしかありません。

 

こうしてゼロベースで思考をしていくと

どの情報が必要か再度思考しなければいけませんから、

その結果多くの情報が意識に上がってくるので

「この動きは無駄なんじゃないか?」

「これはどう考えても必要だ!」

という様に判断出来るようになります。

 

この過程を経験すると、大きなメリットがあって

「なぜダウンアップ奏法が必要なのか」など

既存のテクニックに対して深い理解が得られるようになったりします。

 

それ以外にも肘や手、指の動きなど細かい所も認識出来れば

素晴らしい情報を得られるかもしれません。

 

ぜひ試してみてください。

 

ということで、無意識とドラムの上達についてお話してみました。

 

参考になれば嬉しいです。

 

それでは以上!

 

2種類のヒールアップ奏法

drumpedals

今日はフットワークの奏法について

詳しく書いていきます。

 

ペダルを踏む時の方法は

大きく分けて

・ヒールダウン(カカトを下げる)

・ヒールアップ(カカトを上げる)

 

の2種類があることは

あまりにも有名なので

もう既にご存知だと思います。

 

ヒールアップの使い方としては

音量を強く出したい時や

連打をするときに活用する

という人が多いのではないでしょうか。

 

しかし、もっと細かく分けると

実は同じヒールアップでも

連打に向いているヒールアップ奏法と

そうではないヒールアップ奏法があるので

これについて解説していきます。

 

ツーバス連打などをマスターしたい人にとっては

かなり参考になるかもしれないので、

ひとまず読んでみてください。

 

では始めていきます。

 

まず最初に結論から申し上げますと、

2種類のヒールアップとは

 

1,カカトと靴底が大きく離れるようなヒールアップ

2,カカトと靴底が近い状態のままのヒールアップ

 

この2種類に分けられます。

 

1の方は、足先に体重がかけられたまま

カカトが上げられている状態。

 

2の方は足先に体重がそこまでかかっていないままで

カカトが上げられている状態。

 

さて、ここで問題です。

 

1と2のどちらが連打に向いていると思いますか?

 

 

 

答えは2です。

理由は簡単で

脚の重さがペダルにかかっていない分

リバウンドが返ってきやすいので、

次の1打に繋がるからです。

 

逆に1はどちらかというと単発向きです。

クローズ奏法を使って大きく固い音を出すには

こちらの方が良いでしょう。

 

しかし、この踏み方で連打を続けてしまうと

スピードを上げにくいので

上達してきたら少しずつ

2の方に移行していくというのが良いでしょう。

 

というのも、

なかなかツーバス連打の速度が上げられない人は

おそらく、この境界線で上達が止まってる可能性が高いからです。

 

では、2の方に移行していくためには

どうしたら良いか?

という問題ですが、

 

1と2の大きな違いは、

最初に書いたように

「足先に重さをかけているかどうか。」

という所なので、

 

それをやめれば2に移行していくことが出来ます。

 

そのためには

足全体と足首の両方を

バランス良く使う事が大切になってきます。

 

ちなみに、

1で連打している人は足首ばかりに頼っていて、

連打をしている時に膝があまり上下していない

という特徴があります。

 

膝があまり動いていない=脚を動かせていない

という風に考えられますので、

 

これだと足先に重みが

かかりっぱなしになってしまい

この状態のままカカトを上げれば、

靴底とカカトが思いっきり離れて、

つま先立ちの状態になってしまいます。

 

これだとリバウンドを返しにくいので

連打には向きません。

 

それを回避するために

常にカカトと靴底が離れないように意識して

叩いてみると良いでしょう。

 

これが出来るようになるためには、

カカトの上下に連動して膝も動かしてやらなければ

いけなくなるので

全然違った感覚でペダルを連打することになります。

 

膝の上下運動は、

脚全体をコントロールする事につながるので

今まで足首ばかりに頼っていた人にとっては

少し難しいかもしれません。

 

でもまあ大して筋力を使うような動作ではないので

遊びがてらにやってみてください。

ペダルコントロールが軽やかになるはずです。

 

これが習得出来れば

連打が凄くラクになるので

バスドラムの連打が苦手な人は

ぜひチャレンジしてみてください。

 

 

不安定な状態こそが本当の安定!?

drumset

 

あなたは、本当にリラックスが出来た立ち方や座り方というを意識していますか?

 

これはドラムを演奏していく上で、

かなり重要な部分なので、詳しく説明しますと、

 

本当にリラックス出来ている姿勢とは、

無駄な力が入っていない状態なので、

その状態のまま長時間継続しても

疲れがたまることはありません。

 

しかし、

立ち方が上手い人は、

力が入っていない分、

かすかにゆらゆらしているというのが実際のところで、

彼らは常にバランスを取っているというのが正常な表現になります。

 

身体の内部では、

そのゆらゆらしているバランスを元に維持するために

ごく小さな筋力をいつも使っているんですが、

 

もちろんそのゆらゆらは目に見えるほど大きなものでは無いので、

立ち方が下手な人と見分けがつきません。

 

上手い人ほど、その不安定なゆらゆら状態を

最低限の力で維持する事が出来るので、

身体にほとんど負荷がかからない姿勢を

続けられるますし、

リラックスしている分

集中力も続きやすいはずです。

 

下手な人の場合は、

同じように立っているだけでも、

姿勢が傾いていたり、

一つの方向に体重をかける癖があったりして、

バランスを一つの所に集中させて

安定させようとする傾向があります。

 

それだと、身体の1部分に負荷がかかるので、

もし限界がくれば、

腰痛になったり、脚が痛くなったり、

身体からのサインが出てくるかもしれません。

 

ただ本人はバランスを取ろうとしてやっている事ですから、

安定させる事が目的のはずですが、

この状態は、安定とは言いがたいですよね。

 

なので、本当に安定して身体を上手く使ってやるには、

不安定を「安定的」にコントロールすることが大切になってきます。

 

ドラムを叩いている最中なんかは、

手足を動かしているから

バランスはしょっちゅう崩れています。

 

しかし、その間でも最小限の力で、

身体のバランスを維持してあげると、

手足の動きが軽くなったりします。

 

身体全体だけでなく、

手先、足先でもこれは同じで、

肘や脚、指など細かい所のフォームを最低限の力で維持する事で、

スピードアップにつなげる事ができます。

 

ドラムが上手くなってくればくるほど、

この考え方が重要になってきて、

おそらくこのリラックス度合いが必要になってくる段階に近づくほど、

多くの人の上達が止まります。

 

その原因を考えてみると、

初心者から中級者くらいのレベルですと、

やみくも叩いていても大体は叩けてしまったりするんですが、

「その考え方を持ったまま」

中級者から上級者へのステップアップを

目指してしまう、というのが根本的な原因でしょうね。

 

現状の安定させる方法を見つけてしまうと、

誰でも新しい不安定な方法に移行するのは怖いことなので、

本能的にそうなってしまうのだと思います。

 

その上にいろんなテクニックを積み重ねてしまうと、

ドラムを叩くことが苦痛になってしまったりする人も

いるかもしれません。

 

ですから、本当の安定を手に入れるなら

不安定な状態を支配することがコツになるんです。

 

というのが、今日のブログの結論です。

 

 

ただ、これは身体だけじゃなくて、

考え方の部分もそういう風に出来ていて、

 

あなたが、この記事を読んでいるという事は、

ドラムを叩くことに不安があるからこそ、

この記事に辿り着いたはずですよね。

 

その不安があるからこそ、

安定を求めるために行動を起こして

いろんなものを学ぼうとした結果、

これを読んでいるはずなので、

不安定なものと向きあう事って

かなり価値があることなんです。

 

現状に満足していれば、

こんなHPなんか見ていないはずですので(笑)

 

自分を成長させていくということは

前提条件として不安定な状態があるからこそ

好奇心が沸き起こり、

その結果、知識も広がるし、

より面白い物事が発見できるという流れになります。

 

そうすると、

どっちが楽しくて面白いかは答えは明確で、

身体も考え方も

不安定な状態こそが

実は安定的に健全な精神と身体を手に入れるステップになるので、

ぜひぜひ不安定を歓迎して受け入れるという事をしてみてください。

 

 

そうすると、

安定志向こそが本当の敵だと気づいちゃうかもですね。

 

ということで、本日は以上です!

 

また!